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ちょい読み!教師のチカラ Vol.2

教師のチカラNo.37(2019年春号)特集1:子どもが夢中になる漢字完全習得指導法

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1 漢字習得力

 突然「たかいやま、と書いて」と言われたら、あなたは「高い山」と書くはずだ。
 「高い」を「たかい」・「山」を「やま」と読むことを知っているから、漢字で書ける。さらに、漢字の意味が分かるから「鷹」ではなく「高」と書いたのだ。
 このように、いつでも正しく「読み・書き・使える」状態が、漢字習得である。
 よって、漢字習得の到達を観るには、突然と抜き打ちで「漢字テスト」をすればいい。これだけで、個々の子と学級の到達がハッキリする。
 しかし、次のような教師がいる。
 「来週、〇〇(教材文)の漢字テストをするから練習しておくといいよ」と予告する。もっと酷いのになると、「近いうちに漢字テストするから、やる気のある人は家で練習しなさい」と言って、実際のテストを印刷した紙を持って行かせる。
 こうして出題範囲(問題)が事前に示されていれば、いくらでも練習できる。〝いい点〟が取れて当たり前である。
 なのになぜ、こんな予告をするのか。
 その時・そのテストの点さえよければOK、とその教師が考えているからだ。
 子どもたちに確固たる漢字習得力を育てる事に正対していない教師の「姿」である。

2 「やる気」にさせる

 抜き打ちの「漢字テスト」で〝いい点〟を取るには、予告されてから出題範囲の漢字練習する子・学級では不可能だ。
 子どもが自ら日常的に漢字学習を行っていなければ、無理である。
 では、どうすれば、自ら日常的に漢字学習を行うようになるのだろうか。
 以前、私は次のように書いた。
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 「やる気」
●授業で1時間、実際にさせながら前述した「漢字ドリル」の使い方を教える。
●子どもが提出した「漢字ドリル」をキッチリ点検(評価)する。
 こうして、【漢字習得】に向けた取り組み(システム)の1つとして「漢字ドリル」を使った学習がスタートする。とは言え、授業中に「漢字ドリル」はさせない。子どもたちは個々に、帰宅後の時間含めた授業外で「漢字ドリル」を使った学習を行っていく。
 その結果、抜き打ちテストで〝高得点〟を取る子が増える(学級平均90点超えは当たり前)のだが、もっと重要な〝効果〟がある。
 それは、次のような子どもたちの「姿」である。
●始業前や休み時間や給食の配膳の時間といった〝隙間の時間〟に間違いを直し、「先生、直しました。見て下さい!」と漢字ドリルを持ってくる。
●「帰りの会」の後、「この後、漢字ドリル直しをしてもいいですか?」と聞きに来る。
 教師が「やれ!」と言わずとも、子どもたちが喜々(鬼気?!) として【漢字習得】に向けた学習を自ら行うようになる。
 そしてこの「やる気」は、【漢字習得】以外の活動に波及していく。(本誌No.25 、2016年春号)
      ⬆  ⬆  ⬆
 【漢字習得】に向けた取り組み(システム)の1つとして「漢字ドリル」を使った学習の方法の詳細は、紙幅上ここには書けない。(本誌No.25No.26をご一読ください)
 この学習方法を追実践した教育サークル「深澤道場」メンバーは、書いている。
■彼にとって、従来の漢字学習は「やらねばならぬこと」だった。今回の方法では「やりたいこと」に変わった。それが彼のやる気になった。(本誌No.25、11ページ)

3 「漢字ノート」を使う

 【漢字習得】に向けた取り組み(システム)の1つ、と書いたように、「漢字ドリル」を使った学習だけではない。
 漢字ドリルの〝守備範囲〟は、新出漢字である。前述した方法は新出漢字の習得には抜群の効力を発揮する。が、前年度までの既習漢字習得には、ほとんど無力である。
 もちろん、子どもたちが皆、既習漢字をキチッと習得しているのならこの方法だけでいいのだが、そんな学級と出会ったことはない。
 多かれ少なかれ前年度までの既習漢字を正しく「読み・書き」できない子はいる、と考えた方がいい。
 漢字ドリルを活用するだけでは〝漢字習得OK〟とはならない。
 既習漢字を習得させるための方法が必要なのである。私が考え出した方法は、

①教科書を開く。見開き2ページ。
②自分が「正しく書けるか怪しい」と思う語句を全て、鉛筆で薄く丸で囲む。
③その語句の読み(ふりがな+送り仮名)だけをノートに書く(左写真参照)。
 <本誌には画像があります>
④教科書を閉じ、ノートに漢字で書く。
⑤書き終えたら教科書を開き、教科書の漢字と自分の書いた漢字の「違い」を見付ける。
⑥「違い」のあった漢字を、ノートに正しく書く。※この「ノートに正しく書く」やり方が大切なのだ……。
⑦次の日、漢字ノートを提出する。※教師がキチッと〝目を通す〟のは当然。

 かなり〝めんどくさい〟作業だ。だからこそ重要なのは、「使い方」だ。いつから・どのように使うか。話を少し変える。
 「方法・手法・技術」は、言わば1つの〝道具〟にすぎない。もちろん〝道具〟の善し悪しは重要だが、その「使い方」次第で結果が大きく異なる。
 「方法・手法・技術」そのものだけではなく、その「使い方」に教師はもっと関心を持つべきだ。
 話を戻す。私の「使い方」は……。

●新年度スタートからしばらく経ったゴールデンウィークの連休前に、授業の中で実際にやらせながら、この学習方法を全員に教える。
●この方法での漢字学習は「宿題」にはせず、「やる気のある人はやるといいよ」と軽く言っておく。
●5月初旬の連休明けに、授業で扱った(扱っている)教材文の中から、前年度までの既習漢字だけを出題した「自作漢字テスト」(20題程度)を、抜き打ちで突然と行う。
●その結果の事実は強い。連休中も漢字ドリルだけをやっていた子たちは、自分の到達を知り「今までのままではダメだ」と実感する。これを機に、この方法で学習し漢字ノートを提出する子が増える。

 この後どうしていくか?
 紙幅が尽きた。自分の頭で考え・実践していただきたい。それでこそ、教師だ。


表紙
子どもを「育てる」
教師のチカラ

子どもを「育てる」教師のチカラNo.37(2019年春号)

特集① 子どもが夢中になる漢字完全習得指導法
特集② 宿題、どうする?

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